2025グラフィックデザインの話題は?(AI以外)

2025年現在、グラフィックデザイン界隈でAI以外で話題になっているトピックには、以下のようなものがあるそうです。

サステナブルデザイン(持続可能なデザイン)

  • 環境に配慮したデザインが重視されており、印刷物ではFSC認証紙や植物由来インクの使用、デジタルでは省エネな配色や軽量データの設計が注目されています。
  • グリーンブランディングやエシカルマーケティングと連動して、企業のビジュアルにも影響を与えています。

最近、印刷した封筒に、FSC認証紙でマークが入っていました。
背景色を使わないパワーポイントでプリント時のインクの削減、軽量データの設計の方向です。
グリーンブランドは、環境に配慮した方法で製品を生産し、天然資源の保護に取り組むなど、サステナビリティに高い取り組みを行っているブランドを2年ごとに厳しい基準で評価し選出する国際的組織だそうです。
エシカルマーケティングとは、売り上げに貢献する仕組みであるマーケティングに、エシカルな視点を取り入れること。 
エシカルとは、「人や社会、地域、環境などに優しいモノ」を購入する消費行動やライフスタイルを指しています。

リバイバルブーム(90s〜Y2K、レトロデザイン)

  • ファッションや音楽と連動して、90年代〜2000年代初頭のスタイルを反映したグラフィック(ピクセルアート、グリッチ、蛍光色、エアブラシ効果など)が人気。
  • 反AI的な「人間らしさ」や「不完全さ」が評価されている面も。

ドットを使ったイラストの広告を見かけます。
グリッチとは映像が乱れた時に現れる画面のずれのことです。 デザインの中で意図的に不規則な印象を出すことで、躍動感や最先端なイメージを持たせることができます。

可変ロゴ(Variable Logo)と柔軟なブランディング

  • 固定されたロゴではなく、コンテクストに応じて形や配色が変わる「可変的なアイデンティティ」がトレンドに。
  • たとえば、SpotifyやMIT Media Labのようなロゴがその代表。

コンテクスト(Context)とは、英語で背景、状況、場面、文脈を意味する言葉です。 日本語では主に「文脈」という意味で使われます。
ダイナミックアイデンティティとは、従来のように形や色を1つに定めるのではなく可変的なデザインとして作るものです。 これまでのような印刷を前提としないオンスクリーンを中心とした動的に変化する「生きたロゴ」と言えます。

タイポグラフィの進化と実験

  • 変則的なレイアウトや巨大タイポ、歪みや切断など「読みづらさ」をあえて活用した表現が再評価。
  • グリッドから逸脱したアプローチが、特にZ世代・Gen Alphaの間で評価されている。

「読みづらさ」をあえて活用した表現ですが、アート界隈で使用されています。
BtoBでは信頼性、視認性が重要とされます。

インタラクティブ/没入型体験のデザイン

  • グラフィックとUX/UIの融合。特にWebデザインではマイクロインタラクションやアニメーション、WebGLを使った3D表現が進化。
  • 展示会やプロモーションでは、ARやプロジェクションマッピングといったフィジカル連動も注目。

サービスや製品と、利用者をつなぐUI、ユーザーが得る体験すべてを指すUX。 
マイクロインタラクションを直訳すると『細かいやりとり』という意味ですが、ユーザーが行う一つ一つの行為とサービスとのつながりのことを指します。
展示会やプロモーションで、ARで擬似体験するケースが増えています。

ジェンダーニュートラルなデザインアプローチ

  • カラーパレット、アイコン、イラストスタイルなどにおいて、性別を限定しない表現が求められるように。
  • 多様性・包括性を表すデザインガイドラインが業界スタンダードになりつつある。

人物を表現するアイコンですが、以前ですと、男性と女性と2つありましたが、
どちらにも捉えられるアイコンを要望されることもあります。

マルチフォーマット対応のデザイン設計

  • SNS、動画、LP、紙媒体など、1つのデザインを多チャネルに展開する需要が増加。
  • 「スケーラブルなビジュアル戦略」が求められ、コンポーネントベースの設計が流行。

1つのバナーや広告を様々な大きさにリサイズする仕事があるようです。
スケーラビリティ(scalability)とは、拡張性、拡張可能性という意味の英単語で、機器やソフトウェア、システムなどが性能や機能を拡張できる可能性や度合いのこと。 スケーラビリティがある、あるいは高いことを「スケーラブルな」(scalable)と表現する。
コンポーネントベース とは、UI(ユーザーインターフェース)を「コンポーネント」と呼ばれる再利用可能な自己完結型のパーツに分解する手法です。