AdverTimes.で
ハロウィーンの仮装に「赤十字」はNG
使ってはいけない理由とルール
日本赤十字社が呼び掛け
という記事を見つけました。
病院や救急箱、医療関係の案内などで、十字のマークを見かけることがあります。
十字マークというと、医療や救急、健康、安全といったイメージがありますよね。
ところが、白地に赤い十字の「赤十字マーク」は、誰でも自由に使っていいものではありません。
実は法律によって、その使用が厳しく制限されています。
赤十字マークとは?
赤十字マークは、もともと戦争や紛争の中で、負傷者を救護する医療関係者や施設などを保護するために生まれたものです。
1864年のジュネーブ条約で採用され、国際的な保護のシンボルとなりました。
このマークは、戦争や紛争の際に、保護されるべき医療関係者や施設などを識別する重要な役割を持っています。
ちなみに、赤十字マークのデザインは、赤十字の創設者アンリー・デュナンの祖国であるスイスに敬意を表し、スイス国旗の赤と白を反転させた配色を基にしています。
つまり、単なる医療のシンボルではなく、人命を守るための国際的に重要なマークなのです。
赤十字マークは自由に使えない
日本には「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」という法律があります。
この法律によって、赤十字マークや、それに類似するマークをみだりに使用することは禁止されています。
例えば、次のような使い方は原則として認められていません。
- 一般の病院や診療所の看板
- 薬局のロゴマーク
- 市販の救急箱や薬箱
- 医療関係のパンフレットや広告の装飾
- 会社や商品のロゴマーク
- Tシャツやバッグなどの商品
意外かもしれませんが、医療関係の施設であっても、自由に赤十字マークを使えるわけではないのです。
赤十字マークを使用できるのは、日本赤十字社や法律等で認められた組織などに限られています。
また、法律では、負傷者や病人を無料で看護する救護の場所を表示する場合に、日本赤十字社の許可を受けて使用できるという規定もあります。
なお、この法律に違反すると、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
十字マークなら何でも禁止なの?
ここは誤解しやすいところです。
すべての十字マークが禁止されているわけではありません。
例えば、緑色の十字は安全や衛生を表すマークとして使われることがありますし、一般的なプラス記号もさまざまなデザインに利用されています。
ただし、赤十字マークは、色や形を多少変えたからといって自由に使えるわけではありません。
赤十字マークに類似していると判断されるデザインについても、法律による規制の対象になる可能性があります。
そのため、医療や健康を表現する際には、赤い十字を安易に使用せず、別のアイコンや表現方法を検討することが大切です。
なぜそこまで厳しく制限されているのか
赤十字マークの本来の役割を考えると、その理由がわかります。
戦争や紛争の現場では、赤十字マークは保護されるべき医療関係者や施設などを識別する重要な目印です。
もし、誰もが自由にこのマークを使えるようになったらどうなるでしょうか。
本当に保護されるべき人や施設なのか、見分けにくくなってしまいます。
赤十字マークが世界共通の保護標章として機能するためには、その意味と信頼性が守られていなければなりません。
使用が厳しく制限されているのは、こうした理由があるからです。
デザインをするうえで気をつけたいこと
デザインの世界では、見ただけで意味が伝わるマークはとても便利です。
つい使いたくなってしまいます。
医療だから赤い十字、健康だから十字マーク、と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、デザインには著作権や商標権だけでなく、こうした法律上の使用制限もあります。
特に、ロゴマークや広告、パンフレット、Webサイトなどを制作するときには注意が必要です。
見た目がわかりやすいからという理由だけで、何でも自由に使っていいわけではありません。
何年も前ですが
ピクトグラムの人物アイコンをDMのパンフレットに使用したものが届き
数日後、お詫びのDMが届いたことがあります。
ピクトグラム(視覚記号)のデザインに関わる主な法律は、著作権法、意匠法、商標法、そして規格を定める産業標準化法(JIS)の4つです。
ピクトグラムについて知らないと
シンプルなデザインのイラストとして使ってしまうおそれもあります。
デザインには、見た目の美しさやわかりやすさだけでなく、
その表現が持つ意味や背景を理解し
法律の決まり事も確認する必要があります。
赤十字マークは、そのことを教えてくれる身近な例の一つだと思います。
参考資料